
スマートフォンを持つ子どもが増えた一方で、ネット上の危険も急増しています。SNSを通じた出会い・ゲームアプリ内での金銭トラブル・不審な大人との接触など、デジタル空間の危険は「見えない」だけに深刻です。
子どもを狙うオンライン犯罪の実態
警察庁の統計によると、コミュニティサイト(SNS・ゲームアプリ・出会い系サイト)に起因する児童被害(18歳未満)の認知件数は毎年2,000件前後で推移しており、被害の多くが中高生です。被害のほぼ全員がスマートフォンを経由して犯罪者と接触しています。
被害の種類別ではわいせつ目的のための誘引・接触が最も多く、次いで淫行・強制性交等などの重大犯罪へ発展するケースもあります。「ゲームアプリで知り合ったゲーム友達」「SNSで知り合った優しい大人」として接近してくる手口が一般的で、子ども自身が「犯罪者と話している」という認識を持ちにくい点が特徴です。
子どもが危険に遭いやすいオンライン環境
① TikTok・Instagram・X(旧Twitter)などのSNS
年齢制限があっても簡単に登録できるSNSでは、子どもを狙った不審なアカウントが存在します。「かわいい・かっこいい」などのコメントから始まり、DM(ダイレクトメッセージ)でのやりとりに移行し、自撮り写真の送付・実際の会合への誘いへとエスカレートする手口があります。
② オンラインゲームのボイスチャット・チャット機能
オンラインゲームに搭載されたボイスチャット・テキストチャットは、見知らぬ大人と子どもが気軽に話せる環境を作ります。「ゲームがうまい大人」への親近感を利用して、ゲーム外のSNS・LINEへの移行を誘う手口があります。
③ マッチングアプリ・出会い系
年齢確認が不十分なマッチングアプリを通じた被害も発生しています。「友達募集」「趣味友達」という名目で登録している子どもが、出会いを目的とした大人と接触するケースが報告されています。
④ 課金詐欺・ゲームアイテム詐欺
「ゲームの強いキャラクターと交換しよう」「無料でアイテムをあげる」というSNSの投稿から誘導し、クレジットカード情報や個人情報を収集する詐欺も発生しています。
親が取るべき具体的な対策
① スマートフォンの利用ルールを家族で決める
スマートフォンを子どもに持たせる際は、利用ルールを事前に明文化し、親子で合意してから渡すことをおすすめします。ルールの内容として、使用できる時間帯と1日の利用時間、インストールしてよいアプリの種類(親の承認制)、SNSの使用開始年齢(中学生以上など)、見知らぬ人とのDM禁止、個人情報(住所・学校・写真)の共有禁止、困ったことがあれば必ず親に相談する、を含めてください。
② ペアレンタルコントロールの設定
iPhoneの「スクリーンタイム」・AndroidのGoogleファミリーリンクを使用することで、アプリのインストール制限・利用時間の管理・不適切なコンテンツのフィルタリングが可能です。子どものアプリインストールに親の承認が必要な設定にすることで、不審なアプリのインストールを防げます。
③ 子どもが使うSNS・ゲームを親も把握する
子どもがどのSNS・ゲームアプリを使っているかを把握し、親自身も同じサービスを試してみることをおすすめします。「どんな機能があるか・どんなやりとりが行われているか」を理解することで、子どもの行動への適切な関与が可能になります。
④ 定期的な「なんでも話せる」会話の場を作る
子どもがネット上でのトラブルを親に相談できない最大の理由は「怒られる・スマホを取り上げられる」という恐れです。「何があっても一緒に解決する」という姿勢を日頃から見せることで、子どもが問題を一人で抱え込まない環境を作ってください。
「ネットで誰かに変なメッセージをもらったら教えて」「会おうと言ってきた人がいたらすぐに知らせて」という具体的な指示を普段から伝えておくことも重要です。
⑤ 「無料には裏がある」を教える
「無料でアイテムをあげる」「モデルにしたい・撮影したい」「お小遣いをあげる」という言葉に対して、「無料・プレゼントには必ず条件がある」という認識を教えてください。大人が子どもに何かをあげようとする行動には、多くの場合何らかの目的があることを具体例で説明することが有効です。
被害が発覚したときの対応
子どもがオンライン上でのトラブル(不審な大人との接触・個人情報の送信・わいせつ画像の要求など)を打ち明けた場合は、まず「話してくれてありがとう」と感謝し、子どもを責めないことが最優先です。
次の対応として、証拠保全(スクリーンショット・メッセージの保存)→相手をブロック→学校への連絡→警察への相談という流れで対処してください。被害が重大な場合は、警察の少年相談窓口・都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談することをおすすめします。
※参考:警察庁「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果」(https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/) ※参考:内閣府「青少年のインターネット利用環境整備のための活動」(https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/)
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