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侵入窃盗の被害のうち、最も多い侵入方法が「無締まり(鍵のかけ忘れ)」です。高性能な鍵を設置していても、かけなければ意味がありません。施錠習慣の見直しと、鍵まわりの防犯強化が住宅防犯の最初の一歩です。
侵入方法の約半数が「無締まり」
警察庁の統計によると、住宅で発生した侵入窃盗の侵入方法の内訳では「無締まり(鍵の閉め忘れ)」が46.5%を占めています。ガラス破りや合鍵使用など他の手口を大きく上回る数字です。
住宅形態別に見ると、3階建以下の共同住宅では無締まりが51.5%、4階建以上の共同住宅では40.6%と、一戸建住宅(51.2%)と同様に無締まりが最大の侵入原因となっています。高層マンションでも「ゴミ捨てだから」「少しの買い物だから」という短時間外出時の無施錠が被害の最大の原因です。
「少しの間だから」「すぐ戻るから」という短時間の油断が被害に直結します。ゴミ出し・回覧板の受け渡し・庭への水やりなど、家から目を離すあらゆる場面での施錠が重要です。
窓の無締まりが特に危険——見落とされやすい場所
玄関ドアには鍵をかける習慣がある方でも、窓の施錠が甘くなりやすいことがあります。特に見落とされやすい場所として以下が挙げられます。
1階の掃き出し窓・縁側の窓は、庭木や塀で外からの視線が遮られているため死角になりやすく、空き巣犯に狙われやすい場所です。浴室の小窓・トイレの窓は「小さいから人が入れない」と思いがちですが、手を差し込んでクレセント錠を回すのに十分な大きさがあります。勝手口・物置の扉も施錠の盲点になりやすい場所です。
2階の窓も安心できません。雨どい・室外機・フェンスを足がかりにして2階へ上がる手口は珍しくなく、「2階だから大丈夫」は通用しません。就寝前・外出前にすべての窓について施錠確認することを習慣にしてください。在宅中でも、無人の部屋の窓は施錠しておくことが推奨されています。
「鍵1本」では不十分——補助錠の効果
玄関ドアの鍵が1つしかない場合は、補助錠(ダブルロック)の追加が効果的です。鍵を2つ解錠するには時間がかかるため、「この家は時間がかかる」と判断させる抑止力になります。
侵入に5分以上かかると判断した場合、約7割の窃盗犯がその家を諦めるとされています。鍵を1つから2つにするだけで、この「5分の壁」を越えさせやすくなります。補助錠は賃貸住宅でも取り付けられるタイプがあり、撤去・原状回復も容易なものが多く販売されています。ホームセンターで数千円から購入できます。
窓のクレセント錠だけでは、ガラスを少し割って手を差し込めば解錠できてしまいます。クレセント錠に補助ロック(ネジで固定するタイプ)を追加することで、ガラスを割られても窓が開かない状態にできます。ホームセンターで1,000〜2,000円程度で購入でき、工具なしで取り付けられる製品もあります。
防犯フィルムの効果的な使い方
「窓ガラスに防犯フィルムを貼れば安全」と思っている方もいますが、使い方によっては効果が限定的になることがあります。クレセント錠の周辺だけに貼っても、窓ガラスのそれ以外の部分を割って手を差し込まれてしまいます。防犯フィルムを貼るときは窓ガラスの全面に貼ることが重要です。
網入りガラスは防火用として開発されたガラスであり、侵入防止には効果がありません。「網が入っているから割れにくい」というのは誤解で、むしろ通常のガラスより侵入しやすい場合もあります。網入りガラスの窓にこそ防犯フィルムの設置が有効です。
合鍵の管理と鍵の選び方
合鍵を紛失した・どこかに落とした、という経験のある方は早急に錠前の交換を検討してください。拾った人間が悪意を持っていれば、合鍵として使用される可能性があります。
また、住所が書かれた書類や免許証と一緒に鍵を持ち歩くことは危険です。鍵を落としただけで住所特定と侵入が同時に可能になってしまいます。財布・鍵・免許証はできるだけ分けて持ち歩くことをおすすめします。
賃貸住宅・中古住宅に入居する際は、以前の入居者が合鍵を持ったままの可能性があります。入居時に錠前が交換されているか必ず確認し、不明な場合は交換を大家・管理会社に依頼してください。交換費用を入居者が負担する場合でも、防犯上の安心感を得るための投資として価値があります。
ピッキングに弱い古いタイプのシリンダー錠(ディスクシリンダー錠など)を使用している場合は、耐ピッキング性能の高いディンプルキーへの交換を検討してください。鍵業者や大家に相談することで比較的低コストで交換できる場合があります。
施錠確認を習慣化するための工夫
「施錠したかどうか不安で引き返す」という経験をお持ちの方は少なくありません。この問題を解決するために、スマートロック(IoT鍵)の導入が有効です。スマートフォンから鍵の状態確認・遠隔施錠が可能で、外出先から「あ、鍵かけ忘れた」と気づいた際にもスマホで施錠できます。
鍵にタグをつけて玄関を出るたびに意識させる仕組みも有効です。「鍵・スマホ・財布」を確認する声出しルーティンに施錠確認を組み込む方法もシンプルですが効果があります。
※参考:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R06/r06keihouhantoukeisiryou.pdf) ※参考:政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る住まいの防犯対策」(https://www.gov-online.go.jp/article/202310/entry-9977.html) ※参考:ALSOK「侵入窃盗の傾向と防犯対策」(https://www.alsok.co.jp/person/recommend/211/)
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