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2024年、特殊詐欺の被害が過去最悪水準を記録しました。「自分は騙されない」という自信が、むしろ被害に遭いやすい心理状態をつくる場合があります。最新の手口と対策を知ることが、身を守る第一歩です。
2024年の特殊詐欺——被害額が過去最悪に
警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数は約2万1,000件、被害額は約717〜722億円と過去最多を大幅に更新しました。1日あたりの被害額は約1億9,600万円に達します。前年比で被害額は58〜59%増という急増ぶりです。
被害者の65.4%が65歳以上の高齢者であり、高齢者が標的にされやすい実態は変わっていません。しかし近年はSNS型詐欺を中心に40〜60代への被害も拡大しており、「高齢者だけの問題」ではなくなっています。既遂事件1件あたりの平均被害額は約349万7,000円と、1件の被害でも多大な損失を被ることになります。
急増する「ニセ警察官詐欺」の手口
2024年の特殊詐欺で最も急増したのが、警察官をかたった「ニセ警察官詐欺」を含むオレオレ型特殊詐欺です。オレオレ型特殊詐欺全体の認知件数は前年比68.7%増、被害額は前年比239.2%増という爆発的な増加を記録しました。
典型的な手口はこうです。まず「警視庁(または地元の警察署名)の○○刑事です」と電話がかかります。「あなたの口座が犯罪に使われています」「あなたの携帯電話が不正に契約されました」「逮捕状が出ています」という内容で話しかけてきます。その後「捜査協力のために口座の資産を一時保護する必要がある」「現金を預かりに行く者を派遣します」という流れで現金・キャッシュカードをだまし取ります。
SNS・ビデオ通話を使って警察手帳・逮捕状を画面越しに見せる巧妙な手口も増加しています。実際に外見が本物に近い偽の警察手帳を使い、「これが本物の証拠だ」と視覚的に信頼させます。末尾が「0110」の国際電話番号を使って警察の電話番号を偽装するケースも急増しており、着信番号だけでは本物の警察かどうか判断できない状況になっています。
架空料金請求詐欺・還付金詐欺も依然多発
「有料動画サービスの未払い料金がある」「ご利用の覚えのないサービス料金を請求します」というメッセージや電話で始まる架空料金請求詐欺は2024年に5,716件認知されています。
手口として多いのが、スマートフォンやパソコンに突然「ウイルスが検出されました。今すぐ電話を」というポップアップが表示されるものです。表示された番号に電話するとサポートセンターを名乗る人物が出て、「ウイルスを除去するために電子マネーで料金を払ってください」と誘導します。
還付金詐欺は「医療費の払い戻しがある」「税金の還付がある」というATM操作詐欺で、被害者をATMの前に誘導して操作させます。「ATMの画面の通りに操作すれば還付金が受け取れる」という誘導は全て詐欺です。ATMから還付金が受け取れる制度は存在しません。被害者のうち87%が65歳以上の高齢者です。
キャッシュカード詐欺盗の手口
警察官・銀行員・市役所職員などを装い、「口座の確認が必要」「古いカードを交換する」などの名目でキャッシュカードを直接受け取りに来る「キャッシュカード詐欺盗」も多発しています。
封筒の上から触ってカードの場所を確認し、封筒ごと抜き取るという巧妙な手口も報告されています。「警察官・銀行員・市役所職員がキャッシュカードを預かりに来ることは絶対にない」という認識を持つことが最大の対策です。
騙されないための絶対的な原則
電話で「お金」「口座」「カード」の話が出たらいったん切る
この話題が出た時点で一度電話を切り、自分で調べた番号で折り返すか、家族や警察(110番)に相談することが最も重要です。詐欺師は「すぐに対応しないと逮捕される」「今すぐでないと間に合わない」と焦らせます。焦らせる言葉を使う時点で詐欺の可能性が高いと認識してください。
警察・銀行・役所は絶対にこんなことは言わない
「現金を用意してください」「ATMを操作してください」「キャッシュカードを渡してください」「電子マネーを買ってください」——これらを電話で求めることは、警察・銀行・役所・公共機関では絶対にありません。この言葉が出た瞬間に詐欺と判断してください。
着信番号が警察の番号でも信用しない
「0110」で終わる番号・地元の警察署の番号に見えても、番号偽装の技術が普及しており表示番号だけでは判断できません。不審に思ったら一度切って、自分でインターネット等で調べた番号に電話して確認してください。
家族・近所の人への相談を躊躇しない
「誰にも言わないで」という指示は詐欺のサインです。いったん電話を切って家族・近隣の信頼できる人に相談することを習慣にしてください。相談できる相手を日頃から決めておくことが、いざという場面での冷静な判断を助けます。
高齢の家族を守るために家族にできること
離れて暮らす高齢の親がいる場合、日頃からコミュニケーションを取り、「こんな電話が来たらすぐに連絡して」と伝えておくことが重要です。
固定電話に「迷惑電話防止機器」を設置することも有効な対策です。不審な番号からの着信を自動でブロックしたり、着信前に「この通話は録音されます」と流す機能のある機器があります。録音される旨が伝わるだけで詐欺師が電話を切るケースも多くあります。
銀行窓口・ATMで高齢者が高額の現金を引き出そうとした際に声をかける「声かけ活動」を多くの金融機関・警察が実施しています。家族から「大きな金額を引き出す前に連絡してほしい」と伝えておくことも被害防止につながります。
※参考:警察庁「令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の情勢」(https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2024.pdf) ※参考:nippon.com「2024年の特殊詐欺:全国で被害700億円超す」(https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02424/)
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